●青江議員(此花区)
「真の改革」
1.返還金の市民への還元について
2.行財政改革について
(1)「負の遺産」処理
(2)土地開発公社
(3)未利用地問題
(4)区政改革
「未来への投資」
3.ひとへの投資について
(1)子ども施策
(2)保育所待機児童の解消
(3)小児救急医療体制
(4)子育て世帯向け住宅施策
(5)部活動の活性化・英語教育
(6)高齢者施策(認知症)
(7)職域から地域への社会貢献
(8)女性施策
4.大阪の再生について
(1)ものづくり産業の振興
(2)臨海部における新産業の誘致と大阪港のあり方
(3)経済界との人的交流
(4)芸術文化の振興
5.安心・安全、きれいなまちづくりについて
(1)歩道クリーン作戦
(2)路上喫煙対策
(3)フラワーロード
「真の改革」
1.前文・返還金の市民への還元について
(質問)
私は、公明党大阪市会議員団を代表いたしまして、今回上程されております平成18年度の大阪市予算案並びに関連諸案件について質問させていただきます。
市長は「ハランベー」という言葉を、お聞きになったことがあるでしょうか。
ケニアの乾いた大地で30年前、一人の女性が「ハランベー」と呼びかけました。「ハランベー」とは、スワヒリ語で「みんなで協力しよう」という意味です。
女性の名は、アフリカの黒人女性で初めてノーベル平和賞を受賞した、ワンガリ・マータイさんです。「もったいない」を国際語化した女性です。
マータイさんは一人ひとりに「ハランベー」と訴え続け、ケニアの女性達に、自分たちの行動で「ケニアの将来を」、「次世代の子供たちを」守ろうという明確なビジョン・目的と、生活向上への具体的方策を示すことにより、皆が主体者となり行動を起こしたことによって、延べ8万人で3千万本以上の植樹をする運動へと発展し、環境のみならず、ケニアの民主化に大きく貢献されました。
関市長、市長は新年度を市政改革実行元年と強調し、「これから改革をやる主体者は一人ひとりの職員であり、改革への意識を共有したい」と熱く語られています。
しかし市長、今職員と市長の間に改革への意識の共有、「ハランベー」の精神の共有が本当にあるのでしょうか。市労連傘下のある組合幹部がこう語っていました。「我々も確かに既得権擁護の中で厚遇のぬるま湯に浸りきっていた。改革は必要だ。しかし市長と共に手を携えているという実感がない」と言い、その一例として市職員やOBからの返還金を挙げていました。
互助組合、制服、カラ残業、ヤミ専従等を合わせた返還金は16年度、17年度で約300億円にのぼります。このうち雇用施策推進基金に30億円。これは理解できます。しかし、市の方針では残り270億円は全て公債償還基金、つまり借金返済の財源に使うことを市長は公言されています。
その組合幹部は、「歴代市長等の幹部の失敗によって生じた借金返済の穴埋めのために、返還金が使われているのは財政至上主義で納得できない。福祉や文化など市民に還元すべきだ」と。こうした声は、組合関係者だけでなく、幹部職員にもあります。
ちなみに鳥取県では職員の給与5%カットを行いましたが、その全額を雇用施策等の基金に回しました。
関市長、職員の返還金を、枯渇している「福祉」、「文化基金」に回し、市民に還元するお考えはありませんか。そうすることが、職員、市民、議会が「ハランベー」の精神を共有する第一歩になると思いますが、ご見解をお伺いします。
さて、市政改革ですが、その中身は5年間で2千250億円の削減など、財政的視点が前面に出た改革になっています。5兆5千億円を超える借金を抱えている大阪市として、目前にある課題の克服は、もちろん重要なことであります。しかし、市民にとっては、ムダを省くことなど当然であり、単なる「カイゼン」の域を超えるものとは残念ながらなっておりません。
日本は人口減少社会に突入し、世界でも未だ経験したことのない超少子高齢社会が到来するなど、社会構造の大転換期に立っております。本市も例外ではありません。
改革の先にどのような未来が待っているのか。市民・職員が共有し協働できる、明確なビジョン・目標を具体的に示すことこそ、「真の改革」であります。今こそ大阪市のあるべき姿をしっかりと見据え、職員・議会・市民が「ハランベー」の精神を共有し、10年後の大阪市を安心・安全で活力あふれるまちにするためにも、「未来への投資」を行うことが我々の責務ではないでしょうか。
以上の点を踏まえ、わが党の提言を交え、以下、具体的に質問してまいります。
(答弁)
平成18年度予算は、「市政改革実行の元年予算」と位置付け、市政運営全般にわたる抜本的改革を断行し、新生「大阪市」づくりに取り組むこととしております。
そうしたなか、返還金などを積み立てた公債償還基金も活用しながら重点政策予算枠を大幅に拡充して、「市政改革の推進」や「創造都市」を目指した取り組み、また「誰もが安心して心豊かに暮らせる、協働するまち」をめざした施策など、「未来へ向けた発射台」となるような事業に選択と集中をはかることといたしました。
本市は危機的な財政状況にあり、返還金の使途については公債償還にあてることにより財政の健全化をはかりながら、福祉や文化といった施策のための財源を確保し、市民のために有効に活用することが最も重要であると考えており、財政状況も勘案しながら重点政策への投資など、中期的な視野にたって、市民が納得できるよう活用していきたいと考えております。
2.行財政改革について
(1)「負の遺産」処理
(質問)
まず、いわゆる負の遺産処理についてお伺いします。
阿倍野再開発事業などの特別会計の事業、並びに区画整理事業や土地信託事業の事業収束時の負債額など、今後本市に財政負担をもたらす可能性がある、いわゆる負の遺産の総額は5,200億円を超えるということであります。
一方、昨年11月に公表された中期的な財政収支概算では、負の遺産処理に要する費用は不確定要素として織り込まれておりません。
これらの処理には多額の費用を要し、厳しい財政状況のもとでは、市民サービスを低下させずに一度に処理することは、とうてい不可能であり、処理に優先順位をつけて、かなりの年数をかけて均等に処理せざるを得ないと思われます。
処理を誤れば、準用財政再建団体 転落を回避するための市政改革の取り組みも無駄になりかねないものと思われます。
この議論を進めるためには、土地信託事業をはじめ、監理団体や特別会計の事業全体を含めた今後の負担見込みの全体像を把握し、処理の優先順位をつけたうえで、中期的な財政収支に反映しながら、処理の方法や時期などを具体化していくことが必要ではないかと考えます。
負の遺産処理の道筋をマニフェストの期間内につけるためには、負担の全体像を明らかにする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
また、芦原病院や監理団体に対して2,000億円を超える貸付金があります。この中には、法的整理に立ち至っているもの、特定調停により、返済が劣後になっているもののほか、長期にわたり返済が猶予されているものが見られます。これらの貸付金の現状はどうなっており、市長は、どのように対処しようとしておられるのか、ご所見をお伺いします。
(答弁)
特別会計の事業や特別会計以外の土地信託事業、監理団体などにつきましては、これまでは各所管ごとに経営改善に取り組んできたところです。今後、本市全体として、新たな負担の発生に効果的に対応するため、全体の一括管理を図り、財政運営等の対応策を検討・実施するための、特別会計や財務リスクの管理体制を構築し、外部の専門家も活用して、対応策を検討してまいります。
まず、処理の基本的な方向性を検討するため、特別会計の事業などについて今後発生が見込まれる負担の全体像を把握し、概ね18年度中には明らかにできるように努めてまいります。
処理の優先順位につきましては、個々の事業の実態や負担の内容を十分に分析し、新たな資金の要否、経営形態の変更などについても、検討する必要がございます。また、事業によっては市民サービスに影響を与える要素もあることから、慎重な検討を行う必要があるものもございます。
従って、個々の対応の優先順位の決定につきましては、早期に判断することは困難でございますが、財政収支見通しに反映しながら、可能なものから順次取り組んでまいりたいと考えております。
しかしながら、土地信託事業につきましては、学識経験者からなる検討会議を設置し、法的観点からの検証、経営分析、運営主体の見直しなどに既に着手しておりますことから、各信託事業等について資産売却を含む今後の方向性を、また、大阪市との関係が深い三公社につきましても、可能な限り一定の方向性を、それぞれ平成18年度中に示せるように取り組んでまいります。
次に、監理団体等に対する貸付金についてでありますが、芦原病院と大阪シティドームは法的整理に至っており、貸付金159億円は回収が極めて困難な状態であります。WTCなど4社については特定調停により302億円が30年又は40年の劣後返済となっており、引き続き経営監視に努めてまいります。この他、医療事業振興協会など4団体において返済計画が明確でないものが104億円あり、18年度中に、実効性のある経営計画の策定を指導してまいります。
(2)土地開発公社
(質問)
第2に、この負の遺産のなかで、早期に顕在化するおそれのある土地開発公社の健全化計画についてお尋ねします。
公社の公有保有地は、平成17年度末で約910億円、その約95%に当たる約860億円が5年以上の保有となる見込みとなっており、長期保有の割合は増加の一途をたどっています。
市政改革マニフェストでは、総務省の「土地開発公社経営健全化対策」を活用することで、長期保有地を解消し、土地の有効活用を進めるとされています。本市としては、総務省の対策における公共用地先行取得事業債の弾力運用などの財政措置の活用によるメリットを考慮すると、第二種公社経営健全化団体の指定に向けて計画を策定し、長期保有地の大幅な削減に取り組んでいくべきであると考えます。
具体的にどのように削減を進めていくのか、市長のご見解をお伺いします。
(答弁)
土地開発公社の健全化計画についてでございますが、公社保有地は社会経済情勢の変化や本市の厳しい財政状況のため予定どおり再取得が進まず、長期保有に伴い累増した利子が将来大きな財政負担となることや土地の有効活用が図れないなど、長期保有地の縮減は重要な課題であります。
平成18年度は、第二種公社経営健全化団体の指定に向け、
70億5千万円を公社健全化の予算として計上しております。第二種の指定が得られれば健全化期間の5年間で公共用地先行取得事業債など約470億円の起債が可能となり、長期保有地の9割以上の縮減ができますので、3月末に総務省に健全化計画を提出し、第二種公社経営健全化団体の指定を目指してまいります。
(3)未利用地問題
(質問)
第3に、未利用地問題であります。
本市が保有している土地には、旧同和用地など取得してから長期にわたり空き地のままであったり、事業用地と称して長期間使われることなくネットフェンスで囲まれた用地や、コミュニティ用地など暫定利用を行っている事業予定地が多数あります。
大阪市として、全ての土地についての情報を18年度に一元管理し、19年度をめどに一元的に財産管理するということですが、あわせて、各局が経過を引きずっている土地について、保有期間、規模、目的、場所等に応じて、一定の基準を設け、しがらみのない外部の目で再精査を行うとともに、保有、売却、賃貸などの処分計画を策定し、公表すべきと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、土地の売却に当たっては、単に高く売ればよいというものではなく、まちづくりに役立つような処分方法を検討していかなくてはなりません。
そのためには、個々の土地の状況や特性、民間のニーズや投資動向などを踏まえた上で、政策的な観点から未利用地の有効活用を進めていく仕組みが必要であると考えます。
あわせて、市長のご所見をお伺いします。
(答弁)
長期間事業化されていない事業予定地など監理団体等の保有地を含めまして、全ての市有地の有効活用を図るため、土地情報の一元化を平成18年度中に行ったうえ、財産管理を一元的に行う部門の整備予定である19年度を目処に、旧同和用地を含め、土地の一元管理が行えるよう取り組んでまいります。
また、資産の流動化プロジェクトチームで、土地の取得理由や遊休化に至った経過等の把握・分析を行い、売却すべきもの、事業用地として確保すべきもの、転活用すべきもの等への再精査を第三者を入れて行い、その進捗に応じて19年度から、順次、一定の処分計画を策定してまいります。
また、市有地の処分に当たっては、金額の多寡だけではなく、有効に活用することも必要です。そのため、それぞれの土地の状況なども十分に精査し、政策的な観点から公民連携した良好なまちづくりに資する条件や方法などについて検討し、市有地の活用方策などをとりまとめてまいります。
(4)区政改革
(質問)
第4に、区政改革についてお尋ねします。
市民にとって身近に「大阪市は変わった」と感じることができるのは、区役所改革です。
わが党は、1月の一般質問で、区長マニフェストの問題点を指摘いたしました。
実際に、各区長のマニフェスト案を見ると、例えば、8区で休日開庁があげられていること一つを見ても、全区で実施しないことは行政の公平性の観点から、はなはだ疑問であります。
このように、各区の取り組みに格差が生じている原因は、権限や予算の移譲が明確にされていないからです。具体的に何を移譲するのか、全市一律の施策は何か、地域特性はどの程度認められるのか、区の独自予算をどうするのか、これらについて、いつ明らかにされるのかお伺いします。
また、複数区による新たな政策立案単位の創設、いわゆるブロック化については、基本的には評価するものの、もっと具体的な議論が必要であると考えます。
区とブロックとの役割分担や区域分け、あるいは、組織としてのブロックの位置付けなど多くの課題があります。
とりわけ、局事業所との関係は大きな課題です。
工営所は7カ所、公園事務所は9カ所、下水道の管理事務所は4カ所、さらに19年度からは7カ所の市税事務所が新たに加わり、所管する区域や事務所の場所も違います。市民にとっては非常にわかりづらい。
ブロック化の検討にあたっては、ブロックを各局事業所共通の所管区域とし、局事業所を一つの場所にまとめるといった大胆な取り組みが必要です。
区政改革全体の議論の中でどう進めていくのかを明確にしたうえで検討を進め、早急に結論を出すべきであると考えますが、市長のご見解をお伺いします。
(答弁)
市民に最も身近な区役所が、地域課題に対応し、よりきめ細かな施策を推進するためには、区に予算や権限を移譲し、区において選択と集中を図る仕組みが必要であると考えております。
このため、市民が主体となって、あるいは市民とともに地域課題に取り組んでいく分野などから、区への権限移譲や業務移管などについて検討を進めることとし、これにより、行政の公平性という基本原則をふまえつつ、地域の特性を活かした区の独自取り組みが、より一層効果的に展開できるものと考えております。
権限移譲などの具体的な検討については、局横断的に検討を行うため、区政改革に取り組むプロジェクトにおいて、担当助役のもとに区長会議を位置付け、そこで示された方向性を、区長の代表も参画した検討会議の場で具体化し、改革案としてとりまとめ、平成18年度の早期に方針を定めることとしてまいります。
また、複数の区を統合した新たな政策立案単位、いわゆるブロックについては、局からの効果的な分権化や、直接市民サービスに影響のない区役所業務の集約化を図る際の受け皿の一つとなり、効果的・効率的な行政運営にも資するものと考えております。
ブロック化の具体的な検討にあたっては、その区域や機能、区役所との役割分担などに加え、ご指摘のあった局事業所の再編も含めた、局事業所との連携のあり方についても検討する必要があると考えており、市全体として、より一層効果的な行政運営ができるよう、区政改革のプロジェクトにおいて検討を進めてまいります。
「未来への投資」
3.ひとへの投資について
(1)子ども施策
(質問)
ところで、冒頭に引用したマータイさんはノーベル平和賞の受賞スピーチで、「植樹をする際、私たちは平和の種、希望の種をまいています。種をまくことで、子どもたちの未来を確かなものにしているのです」と、おっしゃいました。植樹という地道な行動とは、アフリカの人々、特に子どもたちへの「未来への投資」であるということです。
我々の改革も、目の前のことだけでなく、将来を見据えた「未来への投資」という観点を忘れてはいけないのではないでしょうか。
まず、大阪の未来を担う人材への投資として、子ども施策についてお尋ねします。
少子高齢化の急速な進展や、家庭における子育て支援機能の低下に伴い、子どもを取り巻く社会環境は大きく変化し、さまざまな問題が生じています。
虐待防止や子どもの安全確保など、子どもにかかわる課題は多く、このような中で、次代を担う子どもたちが健やかに育つことは市民すべての願いであり、社会全体で子どもを支え、導くことができる子ども優先の「チャイルドファースト社会」を構築することがきわめて重要です。
そのためには、家庭・地域・企業などの責務を明確に規定し、その推進体制を盛り込んだ金沢市の「子ども条例」などを参考に、本市独自の理念を示す条例を制定すべきではないでしょうか。
さらに、子どもに関する組織の再構築を行い、少子化に対応する「青少年こども局」を創設するなど、子ども優先の社会づくりに取り組むべきであります。市長のご所見をお伺いします。
(答弁)
少子高齢化が急速に進展する中、都市としての持続的な発展を実現するためには、少子化傾向に歯止めをかけ、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される環境の整備が、「未来への投資」という観点からも大変重要であると認識しております。
本市におきましては、「大阪市基本計画」に基づき、教育の充実や子どもの健全育成など子どもが健やかに育つ環境づくりを進めることとし、「大阪市次世代育成支援行動計画」により、総合的かつ実効性のある子ども施策に取り組んでおります。
子どもの幸せを最優先に家庭・地域・学校・企業・行政等の各々の責任を明らかにし、子育てが喜びとして感じられ、安心して子どもを生み、育てることのできる環境の整備に社会全体で取り組み、夢や希望をもって子ども達の個性や可能性を伸ばし、次世代を担う子どもの健やかな成長を図ることは、市政の最重要課題の一つであると考えております。
今後とも一層の施策の充実を図るとともにその決意を発信するため、ご指摘の条例制定について検討を行うなど、社会全体で子どもの健やかな育成について、意識の共有が図られるよう積極的に取り組んでまいります。また、子どもに関する施策は、現在、市民局、健康福祉局、教育委員会事務局を中心に進めており、ご指摘の点も踏まえて、平成19年度に市民の視点でわかりやすい次世代育成部門の再編整備を行ってまいります。
(2)保育所待機児童の解消
(質問)
次に、保育所待機児童の解消についてお尋ねします。
待機児童の解消は仕事と子育ての両立を図るうえで、子育て支援の最重要課題の一つであります。
市長は1期目の選挙で「平成16年度までに保育所待機児童を解消する」との公約を掲げ、これまで保育所の整備などにより、入所枠の拡大を図ってこられましたが、依然として待機児童の解消には至っておらず、17年度においても904名と、未だ全国ワースト・ワンの待機児童を抱えている現状です。
しかも、マンションの建設ラッシュなど都心回帰の傾向が続くなか、待機児童が減るどころか、さらに増加するエリアすらあります。一方で、そうした地域では保育所用地の確保が難しく、容易に整備が進まないとも聞いております。
そこで、従来の手法にこだわらず、例えば、空いている民間ビルや公共施設、未利用地などを有効に活用し、社会福祉法人へのインセンティブとなる方法や、企業が保育施設を設置した場合に助成するなど、今後、民間活力を引き出す新たな視点での施策が必要であると考えます。
また、一層増大する保育ニーズの高まりに対し、市長は、待機児童解消の公約をいつまでに実現されるおつもりでしょうか。ご所見をお伺いします。
(答弁)
子育て家庭への支援において待機児童の解消は喫緊の課題であり、次世代育成支援行動計画に基づき、35エリアごとの保育ニーズを勘案しながら、公立・民間保育所が、それぞれの特性を生かしつつ、待機児童の解消をはじめとする多様な保育ニーズの充実に向け取り組んでいるところであります。
しかしながら、市内中心部をはじめ保育ニーズの高いエリアでは、保育所用地の確保が困難であるためニーズに応じた整備を進めることが難しい状況になっております。
今後は、国が法制化を進めている幼保一元化の取り組みをはじめ、民間空きビルや公共施設の活用など、議員ご指摘の社会福祉法人へのインセンティブとなる手法や助成制度を含め、より一層の民間活力の活用など、多面的な視点に立った局横断的なプロジェクトチームを今年度中にも設置し、新たな解消方策やその実施に向けた検討を行い、早期の待機児童解消に向けて全力で取り組んでまいります。
(3)小児救急医療体制
(質問)
次に、小児救急医療体制の充実についてお尋ねします。
近年、小児科医や小児科設置の医療機関が減少しており、社会問題となっています。未来を担う子どもたちが健やかに成長できる環境をつくることは、本市としても最優先に取り組まなければならない課題です。
特に、本市の南部医療圏では、他の地域に比べ出生数や15歳未満の人口が多いにもかかわらず、小児科の二次救急医療機関がなく、市民の不安の声が高まっています。
大阪市の責任において、市内のエリアごとに小児救急医療体制を早急に整備する具体的方策として、南部医療圏にある住吉市民病院において小児救急を実施すべきであると考えますが、市長のご見解をお伺いします。
(答弁)
南部基本保健医療圏は、小児の人口、出生数ともに、他の医療圏に比べて多い地域であるにもかかわらず、従前より小児救急医療機関の不足が顕著でありました。
このような状況を受けまして、平成16年12月より中野休日急病診療所において、平日の午後8時30分から午後11時までの準夜帯の小児科の初期救急診療を実施しております。
初期救急診療を円滑に続けていくためには、入院治療が必要と診断された患者を受入れてもらう、二次後送病院の確保が不可欠であり、住吉市民病院においても、時間外後送患者の受入れを順次拡大してきたところであります。
全市的にも小児科を標榜する医療機関が減少する中で、南部基本保健医療圏における小児救急医療体制の整備を行うに際して、小児科医の確保など課題を一つ一つ解決しながら、議員ご提案の住吉市民病院における小児科の二次救急医療につきましては、平成18年中に実施してまいりたいと考えております。
(4)子育て世帯向け住宅施策
(質問)
次に、子育て世帯に対する住宅施策についてお尋ねします。
人口減少社会が到来するなか、本市では、人口の増加傾向はあるものの、出生率の低下等による少子高齢化の進行や、30歳、40歳代を中心とする子育て層の市外転出などにより、人口構成上のバランスを欠いた状況が続いています。こうした傾向は、地域の活力の維持に深刻な影響を及ぼすことが危惧されることから、子育て世帯の市内居住を促進することが重要です。
その為には、一時的な効果を狙うのではなく、将来を見据え、さまざまな施策を、具体的な目標を持って、体系的かつ戦略的に推進していかなければなりません。
現在実施している「子育て世帯向け分譲住宅購入融資利子補給制度」や「子育て安心マンション認定制度」、市営住宅の「子育て世帯の別枠募集」などを引き続き積極的に推進するとともに、規制誘導手法等を活用して、子育て世帯のニーズに対応した住宅供給を促進するなど、ハード・ソフト両面で、相乗効果が期待できるような総合的な施策の展開が必要です。市長のご所見をお伺いします。
(答弁)
少子高齢化が進行する中、活力あるまちづくりを進めるうえで、子育て世帯の市内居住の促進は極めて重要と考えております。
そのため、来年度より、「子育て世帯向け利子補給制度」などにおきまして、対象を、これまでの小学3年生以下の子供のいる世帯から、小学6年生以下の子供のいる世帯へと拡充いたします。
また、「子育て安心マンション」の認定とあわせ、来年度から、総合設計制度においてキッズルーム等の施設を備えたマンションを対象に容積率を割増する制度を創設し、制度間の連携を図りながら、子育て世帯のニーズに対応した住宅供給を促進してまいります。
こうした施策の推進とあわせ、現在、転出超過となっている30歳代、40歳代を中心とする子育て層の人口が、5年後にはプラスに転じることをめざし、今後、子育て世帯向け住宅施策について、ハード・ソフト両面から、より一層重点的、積極的に取り組んでまいります。
(5)部活動の活性化・英語教育
(質問)
次に、教育の課題についてお尋ねします。
子どもたちが、心身ともに健やかに育ち、豊かな心を育む教育の充実を図ることは極めて重要です。
とりわけ中学校の部活動は、活動を通して喜びや楽しさを味わえるだけでなく、努力する大切さも教えてくれます。
本市では、8割の生徒が何らかの部活動に入部し、元気にがんばっていますが、顧問の先生の転勤等により、過去10年間で232部が休廃部になっていると聞いています。
教育委員会は現在、学校外より技術指導者を招聘する事業を行っていますが、休廃部の状況を考えると、今後、部活動の活性化のためには、指導教員に光を当て、給与などの処遇改善を図るべきであります。
また、英語教育についてであります。わが党は、かねてより小学校の段階から英語に親しみ、中学校では使える英語、話せる英語を目指したプログラムを確立するよう強く要望してまいりました。
今後一層、国際化する中で子どもたちの英会話力の向上のため、小・中学校における英語学習のさらなる充実にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。
そして、何よりも指導にあたる教員には高い英語力が求められます。研修の充実はもちろんのこと、英語の運用能力試験であるTOEIC(トイック)の受験を積極的に勧めるべきです。
英語教員の指導力向上について、どのように進めていくのか。あわせて、教育委員会のご見解をお伺いします。
(答弁)
部活動の活性化についてでございますが、部活動は、社会生活を営む上で必要な協調性、責任感を培うとともに、生徒が成就感や達成感を味わえる等、学校教育において重要な役割を果たしております。
教育委員会では、部活動の活性化は喫緊の課題ととらえ、顧問不足等の問題に対して、部活動技術指導者招聘事業の拡充を図っております。
しかし、休廃部をせざるを得ない状況があり、平成17年度に部活動問題検討委員会を設け、部活動の活性化に向け検討しております。
今後、学校の要望に応じた、外部指導者のより適正な配置を図るなど、既存の部活動が休廃部にならないよう努めてまいります。
また、部活動に熱意を持って取り組む教員について、18年4月から、部活動にかかる教員特殊業務手当を1500円から2500円に増額するなどの予定であり、また府では、優れた能力を発揮し業績を上げている教員について、評価・育成システムにおける評価を給与に反映する制度を検討しており、教育委員会としても府と連携し早期に実施できるよう努めてまいります。
英語教育についてでございますが、教育委員会といたしましても、児童生徒に実践的な英語力を育成することは大変重要と考えております。
平成18年度には、英語力アップ検討委員会を立ち上げ、小、中学校の教育研究会と連携し、英語学習のあり方について調査研究を行い、英語で積極的にコミュニケーションを図れる児童生徒の育成に努めてまいります。
また、小学校で16年度から実施している「英語でわくわく1,2,3」事業を18年度には全小学校に拡充し、それを機に本事業の効果検証を行うとともに、小学校の英会話活動の実践事例集を作成し、小・中学校で活用を図ってまいります。
さらに、小・中学校が連携した英語学習の指導法の開発に努めたいと考えております。
英語教員の指導力向上については、15年度より大学と連携し進めてきた英語科指導力向上講座の受講者に、英語教員の一定の目標であるTOEIC、TOEFLや英検などの受験を推奨してまいりました。今後とも受験を勧め、本講座を全員が受講を終える20年度をめどとして、文部科学省が目標値とする、例えばTOEIC730点の水準を獲得できるよう努め、英語教員の力量アップをめざしてまいります。
(6)高齢者施策(認知症)
(質問)
一方、高齢者に対する施策、特に介護支援についてであります。
高齢化が急速に進むなかで、介護における認知症対策が、特に急務です。
認知症対策については、相談体制の充実、早期発見による支援、家族や地域住民への正しい理解の普及、適切なサービスの提供など多くの課題があります。
認知症はその状態によって、介護や支援の方法が異なることから、軽度・中度・重度などの症状の程度ごとに、体系的な支援方法が必要です。本来、施設・在宅を自由に選択できるべきであるにもかかわらず、現状はそうなっていません。支援を効果的に進めるためには、保健福祉などの部署が横断的に連携して、地域における継続した支援を推進することが重要であると考えますが、市長のご所見をお伺いします。
(答弁)
今後、増加が予想される認知症の高齢者への支援が課題となっております。
本市では認知症高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう、市民への啓発をはじめ地域ネットワーク委員会活動による早期発見や区在宅サービスセンターでの相談・支援、また、弘済院や十三市民病院、社会福祉研修・情報センターによる診断治療や専門相談など、きめ細かな支援ができるように関係機関が連携して取り組みを進めてまいりました。
今後とも、いきがい活動や健康づくりによる認知症予防や、かかりつけ医による早期発見にむけた取り組みを進め、また、相談体制の充実など、積極的に取り組んでまいります。
施策の推進にあたりましては、弘済院や十三市民病院が有する専門的なノウハウを活用するとともに保健・医療・福祉の関係機関の連携を強化し、NPOをはじめとする地域組織の活動とも連携を進めます。また、認知症の状態に応じたよりきめ細かな支援や効果的な相談体制のあり方を検討するため、専門家や地域組織の代表者等を含む関係機関で構成するプロジェクトチームを18年度の早い時期に立ち上げ、総合的な認知症対策に取り組んでまいります。
(7)職域から地域への社会貢献
(質問)
人材の活用という点では、「団塊の世代」の多くが、ここ数年の間に定年退職を迎えられます。そこで、この世代が今後それぞれの地域で活躍されることが期待されます。
ある会社の調査では、60歳を過ぎてからの人生でやってみたいこととして、旅行やスポーツ、田舎暮らし、あるいは芸術活動などの趣味とともに、ボランティア活動や地域活動、NPOへの参画・立ち上げなどに関心があるとの回答も多くありました。
今日では、地域の課題は地域みずからで解決していく時代になってきており、こうした社会貢献活動の重要性は高まっています。
しかし、実際にボランティア活動やNPOに参加しようとしても、きっかけや手段がわからないため、躊躇されている方がたくさんおられるのではないでしょうか。また、退職後は趣味を楽しむという方々に対しても、どのように社会貢献活動に目を向けてもらうかということも考えていくべきであります。
地域活動の活性化のため、今後退職される方々が、職域から地域へと、その活躍の場を移し、地域に貢献することができる仕組みと受け皿づくりが必要であると考えます。市長のご所見をお伺いします。
(答弁)
団塊の世代の中で、多くの方々が定年退職を迎えられますが、これまでの知識や経験を活かし、第2の人生でも活躍されることが期待され、その方々の生きがいづくりのひとつとして、ボランティアやNPOなどの社会貢献活動へ参加いただくことは、地域にとって重要なことです。
本市ではボランティア活動の支援のため、ボランティア情報センターと連携し、情報提供や相談事業などを行っており、今後はボランティア参加のきっかけづくりに繋がるような情報の発信も行ってまいります。
さらに、団塊の世代の方々のボランティア活動を支援するための講座や体験学習など、学習機会の提供を図ることも重要です。
また、NPOを支援する市民活動団体との連携を図り、NPOへの参画や立ち上げの支援、情報の発信など、知識や経験を持った団塊の世代の方々が参加しやすい環境づくりを進めてまいります。
今後、市民活動推進条例を制定し、その具体施策を進めるための推進計画において、団塊の世代の方々の活動への参加を促進する仕組みづくりや活動の場を通じた人材活用の視点も取り入れ、自主的な市民活動を推進するとともに、NPO等との協働を促進してまいります。
(8)女性施策
(質問)
次に、女性施策についてお尋ねします。
昨年12月、国の第二次男女共同参画基本計画が策定されましたが、その大きな柱は女性のチャレンジ支援であり、とりわけ、一旦家庭に入った女性が再就職や起業をしたい場合の支援策を充実するため、女性の再チャレンジ支援プランも示しています。
本市においては、すでにチャレンジ応援サイトを開設するとともに、クレオ大阪中央でチャレンジ相談を行っていますが、相談件数を見る限りでは、まだまだ必要な人に情報が十分届いていません。多くの女性に利用されるためには、地下鉄での広報や、銀行・コンビニなどの協力も得て、より一層、効果的なPRや事業の拡充を行っていただきたい。
そして、具体的に再チャレンジを支援していくためには、確実に再就職につながる支援や、企業に対する働きかけなどが必要です。現在、策定中の新しい男女共同参画基本計画を契機として、実効性のある斬新な「女性の再チャレンジ支援プラン・大阪版」を策定し、本市の各セクションが連携して、積極的に女性の再チャレンジを応援していくべきであると考えますが、市長のご所見をお伺いします。
(答弁)
本市では、平成15年1月に大阪市男女共同参画推進条例を施行しており、17年度中には、条例に基づく新しい基本計画を策定することとしております。
計画におきましては、企業における男女共同参画の取組の支援や、さまざまな分野での女性のチャレンジ、特に子育て中や子育て後の女性の再就職などの再チャレンジ支援を重点課題としております。
本市では、平成17年度にクレオ大阪中央において女性のチャレンジ相談を実施するとともに、ホームページ上にチャレンジ応援サイトを開設いたしました。18年度はさらに、女性の起業を支援するため、クレオ大阪北に「クレオチャレンジオフィス」を開設してまいります。
チャレンジ相談につきましても、より多くの女性に活用していただくため、今後、地下鉄の女性専用車両、女性専用外来を行っている病院、乳幼児診断を実施している保健福祉センターや、女性が多く利用する民間施設において、効果的な広報を行ってまいります。また、平成19年度に向けてニーズを把握しつつ、クレオ大阪5館へのチャレンジ相談の拡充も図ってまいります。
さらに、新しい男女共同参画基本計画に基づき、国のプランを踏まえ、出産・育児等で離職した女性への再就職支援、企業の取組促進、女性の起業支援などを盛り込んだ「女性の再チャレンジ支援プラン」の策定に取り組むなど、各局が連携して積極的に女性の再チャレンジを支援してまいります。
4.大阪の再生について
(1)ものづくり産業の振興
(質問)
これまで、未来につながる人材への投資について述べてきましたが、貴重な人材が思う存分に活躍できる社会にしていくためには、大阪経済を再生することが不可欠であります。
本市では、将来の成長産業としてロボットや健康・予防医療分野を重点的な取り組みとしていますが、あらゆる産業の創造的基盤である「ものづくりの再生」こそが、都市活力の源になるものと考えます。しかし、市内の製造業の現状は、事業所や従業者数、出荷額も減少傾向にあります。
イタリアのボローニャ市では、地場産業の繊維産業が衰退していくなかで、構造転換を進め、幅広い機械工業と部品製造の中小企業による世界的な集積を創り上げました。コーディネートする企業が、分業のかなめとなり、さまざまな企業の技術・ノウハウを組み合わせて、付加価値の高い製品を少量ながらも出荷し続けています。
ボローニャ市と同様に、国内有数のものづくりが集積している大阪市の東部地域では、大企業の下請け分業体制から脱却し、みずからの技術を磨き、新しい市場を開拓していくなど、経営体質の転換を遂げた企業が存在しています。また、金属加工、印刷、デザインなどの異なる強みを持つ企業をつなぎ、1社だけでは開発が困難な新製品をつくり出す自発的な動きもあります。こうした動きを、現在の点から面へと拡大するため、東大阪などの他地域とのネットワークづくりを目指す必要があります。
さらに、個々の企業の卓越した技術や販売力などの強みを結び付け、相乗効果を発揮させる仕組みづくりが急がれています。世界に通用する、未来を拓くものづくりの先進地域を実現するため、明確にビジョンを示していただきたい。大阪再生の実現に向けた、市長のお考えをお伺いします。
(答弁)
大阪経済は明るさが見られるものの、市内製造業はアジアとの競争激化など厳しい状況にあり、今後一層、市場が求める製品を生み出し、付加価値を高めることが重要と考えます。
こうした中、国内有数の製造業の集積をなす本市東部地域で、区域を越え得意分野を組み合わせた製品開発が進むなど、市内に創造的な活動が広がりつつあります。
市内製造業の競争力強化を図るため、本市では、これまでの技術相談や知的財産活用への支援を充実し、さらに、関西の大学研究者をはじめ
200人からなる「ものづくり研究開発サポーター」が開発支援を行うなど、企業の技術革新を促進してまいります。
また、産業創造館のコーディネーターが、様々な強みを持つ企業を結びつけ、技術提携や共同研究などが次々と生まれるよう、連携を一層促進するとともに、他都市の企業との事業提携や販路開拓を図るなど、他の集積の強みも取り入れた広域的なネットワーク形成につなげてまいります。
加えて、昨年に続き開催する「世界ものづくりサミット」では、こうした特色ある活動や新製品の紹介など、内容の充実に努め、大阪のものづくりを内外に情報発信いたします。
さらに、地域の製造業の実態や直面する課題を把握し、めまぐるしく変化する市場動向や世界競争への対応のあり方を探るなど、21世紀を切り拓くものづくり先進地域を実現するビジョンづくりにつなげてまいります。
(2)臨海部における新産業の誘致と大阪港のあり方
(質問)
次に、臨海部における新産業の誘致と大阪港のあり方についてお尋ねします。
現在の在来臨海部は、工場等のアジア諸国への移転、施設の老朽化によって、相対的にポテンシャルが低下してきています。そこでまず、低未利用地などの土地利用転換を進めるためにも、現状調査を早急に実施し、臨港地区などの計画の再検討を行うべきであります。
さらに、臨海部への企業誘致については、リサイクル産業、新エネルギー関連産業など環境関連産業の進出も期待できると思われます。このような新産業を誘致し、大阪産業の活性化につなげていくためにも、早急に土地利用の方針を策定すべきであると考えますがいかがでしょうか。
また、夢洲においては、まちづくり計画がすでに公表されていますが、新たな発想も取り入れ、スーパー中枢港湾を中心に実現される効率的な国際物流を活用して、付加価値の高い製造業などの産業集積を図っていくことも重要です。
一方、世界の港を見ると、港湾の管理運営、港湾経営の広域化は顕著であり、大阪港の国際競争力の強化に向けた取り組みを進めるためには、広域的な港湾連携が不可欠であります。大阪湾の主要な港との連携を図ることにより、外国貿易上、隣接する複数の港が一つの港として扱われる、いわゆる「一開港化」を目指さなければなりません。あわせて、市長のご見解をお伺いします。
(答弁)
在来臨海部の活性化を図るため、平成18年度に土地利用の実態調査を実施し、臨港地区を含めた計画の再検討を行ってまいります。
一方、新たな埋立地につきましては、先端技術産業、環境関連産業など、今後発展が期待できる新産業の誘致につながるよう計画を見直していくことも必要であると考えております。
そのため、大阪の産業の活性化、雇用の増大に資するよう、在来、新臨海部を含めた臨海部全体の土地利用についての基本的な方針を、平成18年度内を目途に策定いたします。
また、国際物流基盤として重要な役割を果たすスーパー中枢港湾におきましては、ハード整備だけではなく、民間事業者が積極的に能力を発揮できるように取り組んでまいります。
夢洲の土地利用につきましては、経済のグローバル化により、効率的な物流システムの構築を目指す企業ニーズが増大していることから、国際競争力のある物流インフラを活用する産業の立地など、今後の需要動向も見つつ、現計画については、今一度立ち止まって見直していきたいと考えております。
大阪湾の主要な港との連携に関しましては、国の法令改正を伴う一開港化などについて、スーパー中枢港湾が本格稼動する平成20年度を目途に、取り組みを進めてまいります。
(3)経済界との人的交流
(質問)
次に、経済界との人的交流についてであります。
他都市においては、職員を民間企業に派遣して、その経営感覚を養う研修制度が導入されています。本市においても18年度から取り組むことになっていますが、職員の意識改革を図るだけでは、大阪経済の活性化には、不十分であると言わざるを得ません。
本市と経済団体とが、個別バラバラに経済政策や産業振興策を行っていくのではなく、お互いに連携し協働して推進していけば、大阪経済を牽引する施策が実施できるのではないかと考えます。
そうした観点から、今後、大阪商工会議所や関西経済連合会などとの人材交流を行っていくために、市長みずから働きかけをされてはいかがでしょうか。ご見解をお伺いします。
(答弁)
限りある人員、財源を最大限に活用し、多様化する市民ニーズに対応するためには、民間の経営感覚をもった職員の育成が重要であると考えており、研修制度を充実してまいります。
また、経済団体との人材交流は、本市の経済施策と団体が実施される施策において、情報交換や意思疎通が円滑に行えるなど、大阪経済の活性化に寄与することが期待されます。
今後、人材交流のあり方について、どのような手法が効果的か検討し、在阪の経済団体へ私自らが働きかけを行い、実現に向けて取り組んでまいります。
(4)芸術文化の振興
(質問)
次に、芸術文化の振興についてお尋ねします。
芸術文化は、人々の心に感動を与え、生きがいや充足感をもたらすだけでなく、新たな産業と雇用を生み出すものです。
都市間競争の時代にあって、芸術文化の薫り高い、市民が心豊かにいきいきと暮らす都市を実現することは、大阪の都市格を高め、全国や世界に向けて「大阪」を強力に発信することにつながります。
しかし、本市の現状は、他の都市に比べ、文化の発信という観点からは不十分です。まずは、市民に対して、芸術文化の情報を一元的にわかりやすく提供することが重要です。そのうえで、世界を舞台に活躍する指揮者、大植英次さん、西本智実さんなど、大阪の誇るべき芸術文化のブランドともいうべき方々に協力を依頼するとともに、現在実施している事業についても、大阪を代表する情報発信源となるような存在感のある事業に育てる展望を持って、継続的かつ戦略的な展開を図るべきであると考えます。
また、現在、「大阪市芸術文化創造・観光振興行動計画」を策定中でありますが、芸術文化創造都市の実現のためには、「未来への投資」という観点から、長期的な視点に立った施策展開とともに、確固たる推進体制づくりが重要であります。新しい行財政改革計画(案)には、「文化集客機能の一元化」として、教育委員会所管の文化集客関係施設をゆとりとみどり振興局へ移管するとありますが、芸術文化の振興について、組織体制を含め、どのように考えておられるのかお伺いします。
(答弁)
「芸術文化創造都市」の実現には、まずそれを支える市民に様々な情報をわかり易く提供することが必要です。
つきましては、多彩な催しや文化関連施設などの情報をホームページ等により市民に一元的に提供するほか、市民が身近なところで芸術文化情報を得ることができるよう、区役所やサービスカウンター、地下鉄駅構内などを積極的に活用してまいります。
また、芸術文化の発信力を飛躍的に高めることは、今後の重要な課題であります。このため、ブランド力のある文楽や上方歌舞伎はもとより、アジアを視野に入れた映画祭などを世界から注目され、発信力のあるものとして育てていくとともに、世界的な大阪ブランドとも言える大阪フィルハーモニー交響楽団の大植英次監督による、「御堂筋クラシックコンサート」を開催します。
推進体制につきましては、専門的な知識と企画・実行能力をもつ「芸術文化総合プロデューサー」を「地域」、「教育」、「施設」の3分野で設置し、地域の自発的な芸術文化活動の促進、教育現場との連携による青少年の芸術理解力の向上、市内の文化施設の有効活用などを図ります。また、学識経験者等、外部委員により芸術文化振興施策に対する提言を受け、客観的な評価をいただく制度を整備してまいります。
さらに、本市組織の再編整備におきましても、教育委員会の所管する美術館・博物館などをゆとりとみどり振興局での一元的管理に順次移行するなど、推進体制の強化を図ってまいります。
5.安心・安全、きれいなまちづくりについて
(1)歩道クリーン作戦
(質問)
最後に、安心・安全、そして、きれいなまちづくりをテーマとして、いくつか提案をしていきたいと思います。
第1に、道路の問題、とりわけ歩道についてであります。
本市では、安全で安心できるまちづくりや、良好なまちの景観形成に取り組んでいますが、歩道には、依然として放置自転車や不法看板などが置かれており、景観を損ねるだけでなく、歩行者の安全な通行の妨げとなっています。とりわけ、障害者や高齢者にとっては深刻な問題です。
この問題を解消し、誰もが安心して通行できるようにするためには、主要幹線道路において集中した取り組みを行うなど、思い切った対応策を積極的に実施すべきです。その際には「歩道クリーン作戦」といったようなインパクトのあるネーミングをつけ、市民の関心と協力を呼び起こすことが必要であると考えます。
(答弁)
道路の問題、特に歩道についてでございますが、放置自転車や不法看板のない、高齢者や障害者をはじめ、誰もが安心して歩ける美しい道路にするためには、従来の取り組み方では限界があり、ご提案のように集中した取り組み等、積極的な対応策を実施することが重要であると考えます。
そのためには、建設局や関係局だけでなく、地域の課題やニーズに精通している区役所との連携を図りながら取り組むことも、その実効性を高める上で重要でございます。
今後は、本市の姿勢をアピールし、官民協働の観点からも市民の理解と機運を高めるようなネーミングを含め、平成18年度中に計画を定めるとともに、事業に着手するべく積極的に取り組んでまいります。
(2)路上喫煙対策
(質問)
第2に、路上喫煙対策であります。
室内における喫煙対策は、健康増進法に基づき、建物全体の全面的な禁煙や分煙の徹底などの結果、かなり改善されてきています。一方で、道路など公共の場における「歩きたばこ」には何の規制もなく、いわば野放しの状態が続いています。
他都市では、路上喫煙を規制する条例を制定する動きが相次いでおり、多くの場合、市内全域に路上喫煙禁止の努力義務を課したうえで、条例の趣旨を周知徹底するために、指定された「重点禁止地区」での違反者に対しては過料が科されています。
本市においても、条例化にあたっては、大阪市のイメージを一新するような路上喫煙対策を積極的に打ち出すべきであります。
(答弁)
本市におきましては、これまでも、まちの美化や健康、防災・防火の観点から、路上喫煙の防止を含む喫煙マナー全般の向上に向けた普及啓発活動に取り組んできたところでございます。
しかしながら、道路など公共の場所における喫煙につきましては、目立った改善の兆候は見られず、「市民の声」などでも、路上喫煙に関して、何らかの規制を早急に行うべきであるとする意見が多く寄せられております。
本市としましても、市内における路上喫煙の現状を鑑みました場合、従来の「喫煙者のモラルやマナー意識に訴える普及啓発活動」のみでは十分な成果は得がたく、今後の路上喫煙対策のあり方としまして、条例の制定を含む総合的な施策の実施が必要であると考えております。
そういった観点から、「市内全域における路上喫煙禁止の努力義務」や「過料を伴う重点禁止地区」の規定を盛り込んだ、「路上喫煙を規制するための条例」の、平成18年度秋頃の制定に向けまして、積極的に取り組んでまいります。
(3)フラワーロード
(質問)
第3に、今月25日から開催される「第23回全国都市緑化おおさかフェア」が迫ってまいりました。大阪城公園を主会場として、市内各所で市民参加によって300を超える「まちなか会場」の準備が進められています。こうした取り組みは今後とも継続していくことが大切です。5月には「世界バラ会議大阪大会2006」も開催されます。これらを契機として、例えば、国内外からの観光客で賑わうUSJや大阪城などの集客施設につながるアクセス道路の植樹帯に、連続して花を飾る、いわばフラワーロードづくりを、市民の参加を得ながらモデル的に実施してみてはどうでしょうか。そして次の段階として、市内の主要幹線道路にも拡大していくなど、大阪を花いっぱいにする市民運動を展開していけば、大阪を訪れる人々に、花と緑のきれいなまち大阪を強く印象づけ、大阪のイメージアップにつながります。と同時に、市民の暮らしを豊かにするものになると確信いたします。市長のご所見をお伺いします。
以上、私は、「真の改革」と「未来への投資」をキーワードに、公明党大阪市会議員団としての提言を行いつつ、質問をしてまいりました。
未来に向かって、職員・市民・議会が「ハランベー」の精神で、ともに協力していきたいと思います。市長の前向きなご答弁をお願いし、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
(答弁)
都市緑化フェアでは全国初の試みとして、市民の皆様のご協力を得て市内各所で花飾りを行う「まちなか会場」を設け、市域全体を会場として国内外から多くのお客様をお迎えします。
花と緑溢れる美しい都市のイメージは、集客・観光の振興に大いに寄与するため、このような取り組みを一過性のものに留めることなく、継続・発展させていくことが非常に重要です。
フェア終了後も引き続きUSJや大阪城公園など、主要な集客施設へのアクセス道路を対象として「まちなか会場」での経験を活かし、地元のご協力を得ながら、市民参加の花飾りをモデル的に実施してまいりたいと考えています。
さらに今後、市民の皆さんのご参加、ご協力を得ながら、主要な幹線道路での取り組みも段階的に進め、花と緑溢れるまちづくりを推進してまいります。